埼玉県から平成29年3月に甲奴町宇賀地区に移住して来られた築家豊さん・秋弥君親子。
秋弥君が小学校に入学するのに合わせて、ITの仕事で自由の利く豊さんが、奥様より一足先に秋弥君と一緒に越して来られました。

色々な縁で甲奴を知り、三次市の空き家バンク制度を利用し、甲奴のバンク物件で唯一の賃貸であったこの宇賀の物件に決められました。
就学まで期間がなかったこともありますが、かなり傷みの激しい物件にも関わらず、“空き家は修理して住むのが当たり前だし、部屋が直るまでテントでも張ればいい”と、アウトドア好きで焚火マニアの豊さんは、覚悟を決めて、家のボロさを気にされませんでした。
もちろん決め手はあって、インターも近く交通の便も悪くない事、宇賀の木工所が近い事、集落支援員の事務所が近くて都合が良いことなど、立地条件が良かったこと、納屋が大きい事、そして、下見に来た時に挨拶した隣家の方がいい人そうだったこと、などだそうです。
宇賀の木工所:正式名称は甲奴地域資源加工センター
所在地 甲奴町宇賀1200-1 三次市の施設で、甲奴町木材工芸組合が管理・利用している木工所組合に加入するには年会費1,000円(三次市民に限る)
一般の方の利用料金:市内の方:100円/時間、市外の方:200円/時間。
ずっと空いていた家に若い親子が来てくれたので、集落の人たちは大歓迎!しかも、秋弥君は集落で20年ぶりくらいの小学生!
物件を知っている人の心配をよそに、本人以上に隣家の方が率先してどんどん家を修理し、畑も集落の人が耕してくれ、見る見るうちに快適に暮らせる家となっていきました。これには、集落支援員の私もびっくり。
さらに、野菜のおすそ分けや、近所の方と一緒にお茶することも毎日のよう。築家さんも近所の人のパソコンやケーブルの不具合を直してあげたり、地域行事に積極的に参加したり、和太鼓の愛好会に入ったりと急速に地域に馴染んでいきました。
この築家さん親子に、「ここの生活はどうですか?楽しいですか?甲奴のどんなところが良いですか?」と質問してみました。
秋弥君の楽しそうな日常は、豊さんがFaceBookに投稿する記事でよく分かりますが、「何が楽しい?」と訊いたところ、
「虫がたくさんいる!」
と速攻返事が返ってきました。 昆虫など生き物大好きの秋弥君は、取材中も見つけたバッタやカエルや綺麗なお花の所に案内してくれました。
豊さんは「甲奴の他の地区を知っているわけじゃないけれど・・」と注意深く前置きしつつも、次のように話してくれました。
「とにかく、地域の人によくしてもらっています。それから、言葉にするとありきたりになってしまいますが、星が綺麗。天の川が見えるんですよ!!都会じゃ無理。食べ物も美味しい。自分で採ってすぐきちんと処理して料理したワラビやツクシがこんなに美味しいとは。景色もきれい。自然が普通に身の回りにある。ここにずっと住んでいる人には、当たり前すぎてよく分からないかもしれないけれど。ここの生活は理想ですよ。」
「ここに来たばかりの頃は、よく庭にテントを張って、自宅キャンプを楽しんで、近所の方に不思議がられたりしましたが、頻度は減りました。薪で風呂を焚くし、自宅で生活しているだけでアウトドアへの欲求が結構満たされてしまうので。」
また、英語が話せる豊さんは、こんなことも話されました。
「甲奴に限って言えば、甲奴は長くアメリカス市との交流があり、また Peace Culture Villageも加わって国際交流の機会も多くて、英語教育に力を入れていることは、アドバンテージではないでしょうか。
それから、三次市内や近隣の市町に、子供が遊ぶのに良い、大きな立派な公園が結構あるのもいいですね。」
Peace Culture Village:広島平和文化センターの元理事長であるスティーブン・リーパー氏が平和文化を構築するために立ち上げた非営利団体。甲奴町福田の古民家を借りて改修し、持続可能な生活のモデルを示したり、平和活動に携わる国内外の人たちと交流したりするなど、各種活動、イベントの開催などを行っている。  https://www.facebook.com/PeaceCultureVillage/
取材のために久しぶりに庭にテントを張ってくれた築家さん親子。焚火台で炭を熾しながら話してくれた豊さんの横で、秋弥君は図書館で借りてきた子供向けの科学本の内容を一生懸命説明してくれました。自然大好きの親子は、しみじみとここでの生活を楽しんでいらっしゃるようでした。
豊さんは世羅にある、親戚名義の古民家や山林の管理を将来担っていく予定で、そのために林業にも関心がありますが、体力をつけながら焦らずゆっくりやっていくつもりだそうです。
林業や、古民家改修、農業体験などのワークショップは、甲奴町内で時々開かれますが、これら田舎生活を堪能するために必要な技術の講習会などは、もっとやっていきたいですね。